ミシンの選びの豆知識

縫い方の種類とミシンの種類

縫い方の種類

縫い方の種類
全ての縫い方ではありませんが代表的な縫い方です。
どのミシンでどんな縫い方ができるのか、ぜひミシン選びの参考にしてみて下さい。

♪ミシンの豆知識♪
本縫いと環縫いってな~に?
◇本縫い
直線縫いとも言われ、針と釜というパーツで糸を絡ませ縫い目を精製します。
釜には水平釜や垂直全回転釜、垂直半回転釜などの種類が有ります。

家庭用ミシンや職業用ミシンはこちらの縫い方になります。

◇環縫い

針とルーパーというパーツで糸を絡ませ縫い目を精製します。
ルーパーには上ルーパ―や下ルーパー、二循環ルーパーなどの種類が有ります。針の本数やルーパーの数でいろいろな縫い目を作ることができます。

ロックミシンやカバーステッチミシン、すくい縫いのミシンなどはこちらの縫い方になります。

◇直線縫い(本縫い)


対応:家庭用ミシン・職業用ミシン

直線縫いは、上糸(針糸)を釜ですくって下糸(ボビン糸)と絡めて真っ直ぐなステッチができる縫い方です。
2枚以上の生地を縫い合わせる際に用います。
一番知られているメジャーな縫い方で様々な用途に使用される基本の縫い方です。

◇返し縫い・玉止め縫い(止め縫い)


対応:家庭用ミシン・職業用ミシン(返縫いのみ)

返し縫いとは、生地を前後に送りながら直線縫いで一度縫った部分を重ねて縫う縫い方です。
糸が抜けてしまうのを防止するために行うのが返し縫いや止め縫いです。
縫い初めと縫い終わりに行うのが一般的です。
玉止め縫いは家庭用ミシンで模様縫いなどを縫う時に縫い端がほつれないようにする縫い方で、1箇所に何針か落として縫います。

止め(かん止め)


対応:家庭用ミシン

止め縫いとも言い、同じ場所を何重にも重ねて縫うことで2枚の生地をしっかり固定します。
ズボンのベルトループや女性用下着の肩紐、ボタンホールの端など動いたり負担のかかりやすい場所を縫い合わせるときに用いられている丈夫な縫い方です。

◇ボタンホール

対応:家庭用ミシン・職業用ミシン

ボタンを通す生地の穴の部分がほつれないように止める縫い方です。
穴かがりとも呼ばれ、ボタンホールステッチやボタンホールアイレットといわれます。
ボタンホールステッチにはいくつかの種類があります。
職業用ミシンでも専用のアタッチメントを使用することでボタンホールを縫い上げることができます。

◇ジグザグ縫い(千鳥縫い)


対応:家庭用ミシン

ジグザグ縫いは直線縫いと同じ縫い方ですが、針を左右に振りながら縫っていくためジグザグのステッチができる縫い方です。
生地を合わせて縫ったり生地端の処理やゴムを付ける縫製などにもジグザグ縫いが使用されます。
送り歯の前後の動きや縫いピッチを変えるなどの組み合わせで模様や刺繍の様な縫い上りを見せてくれます。

ミシンの種類によっては名前など縫い目で文字を作ることも可能です。

◇かがり縫い(オーバーロック)


※青糸が家庭用ミシン、ピンク糸がロックミシンの縫い上りイメージです。
対応:家庭用ミシン・ロックミシン


かがり縫いは、主にロックミシンで行います。
針とルーパーという特殊な形をした針の様なものを交差させることによって糸を編むように縫い上げます。

家庭用ミシンでは、直線縫いとジグザグ縫いを組み合わせて縫いあげます。
細やかなステッチで頑丈に縫い付けることができ、主に生地端の処理に仕様されます。

編み目の様な縫い目は伸縮する素材の伸びにも強く糸が切れにくいのが特徴です。

◇まつり縫い


対応:家庭用ミシン・ロックミシン・すくい縫いミシン

まつり縫いは、表面からの縫い目が目立たないようにする縫い方で、裏面とは違い表には広めの感覚で点々としたステッチができる縫い方です。
縫い目が目立たないため、裾上げなどに使われる縫い方です。

◇チェーンステッチ


対応:カバーステッチミシン

チェーンステッチとは、針とルーパーを絡めて2本の糸を絡めて縫う縫い方で表側は直線縫いの様なステッチになります。
裏側は糸が2重になる為、とても丈夫で伸縮性の有る生地にも強いくメリヤス肌着として広く用いられることが多く、トレーナーやTシャツ・スポーツウェアなどの伸縮素材を縫製する時にも多用される縫い方です。

◇カバーステッチ


対応:カバーステッチミシン

カバーステッチは針とルーパーを使って何本もの糸を絡めてロックミシンの様な編み目を平面に作り出す縫い方で、偏平縫いともいわれます。
伸縮性にの有る生地にも強度に優れた縫い目を作りあげ、メリヤス肌着として広く用いられることが多く、トレーナーやTシャツ・スポーツウェアなどの伸縮素材を縫製する時にも多用される縫い方です。
糸の色を変えることで模様の様な飾り付けを生地に縫い付ける事もできます。

◇単環縫い


※1枚目が袋とじ縫い、2枚目がまつり縫いです。
対応:袋とじ縫いミシン・すくい縫いミシン


縫い方には、袋とじ縫いやまつり縫いなどの種類が有り仕様する針の形状で縫い目が変わります。
袋とじのミシンやズボンの裾上げのすくいのミシンなどに用いられる縫い方で、この縫い目は針糸1本だけで針とルーパーを交差させ、生地の表面の縫い目は本縫いと同じように見えますが、裏面は針糸のループが連続して鎖目となって続いていく縫い目です。
ほどきたい時にスルスルッと簡単にほどくことができるのも単環縫いの特徴です。

◇家庭用ミシン

家庭用ミシンとは
家庭用ミシンは左右に振れる針と釜で、2本の糸を絡め直線縫いとジグザグ縫い、送り歯で生地を前後に動かすことで様々な縫い方ができるミシンです。
家庭用のハンドクラフトミシンで一般的に多く利用されているミシンで、モノづくりをするうえで必要な縫い方が一通り備わっているオールインワンタイプです。
家庭用ミシンの種類や特徴をご紹介します。

家庭用ミシンの種類

◇電動ミシン


モデル例:HZL-290-SHZL-40S、HZL-40NS

単純な構造のミシンで、内臓のモーターで動かしていくだけのミシンです。
ミシンの速度はフットコントローラーの踏み込み加減で調節し、電子制御などはされていないため縫い終わりの針停止位置は一定しないので止める度に針の停止位置が変わります。
縫製メニューは備え付けのダイアルを回してメニューを切り替えていくタイプです。
軽量化されたコンパクトタイプでかわいらしいなどで、人気の有るミシンです。

◇電子ミシン


モデル例:HZL-40、HZL-40DX、HZL-J50

手元操作でミシンのスタート・ストップができて、縫製のメニューをダイアル式で切り替えるタイプが電子ミシンです。
針の上下運動を電子回路により制御が可能なミシンです。手元でミシンのスタート・ストップの操作が行えて、ミシンの速度も電子制御によるスピードコントロールができます。作動後に針の停止位置は必ず決まった高さで止まります。
比較的コンパクトで、電動ミシンと同様かわいらしいデザインのモデルも多く販売されています。
価格と機能から使い勝手も良くお手頃の商品です。JUKIから現行モデルは発売されていません。

◇コンピューターミシン


モデル例:HZL-EX7、HZL-FQ65、HZL-71HW

ミシンのメニュー切り替えがボタン式のタイプがコンピューターミシンです。現在活躍しているミシンの主流になっているタイプです。針の上下運動、振り幅と縫い目長さをマイコン制御しています。自動糸切り機能などもコンピューターミシンの機能です。
ワンタッチ、または表示画面でメニュー番号を合わせると縫い模様が変更でき、縫い模様の種類も豊富です。キャラクターなどの大型刺しゅうができるものもあります。
押え圧の調整や自動糸調子、自動糸切り、アタッチメントの豊富さ、その他の便利機能などユーザーのニーズに合わせて様々な付加価値を追求する事の出来るミシンです。

ミシン選びで確認しておきたい機能

◇自動糸切り機能


糸切り機能が有るか無いかで使いやすさが全く変わってきます。
ボタンを押したり、フットコントローラーにある糸切りのスイッチを押すだけで自動で糸を切ってくれます。押えを上げる時には既に糸がキレイに切れているのでハサミを探したり余分に糸を引き出す必要も有りません。糸切り後に下糸を引き出す必要もない為、エコと時間に優しい機能です。

◇自動糸通しの仕様


細かい針の穴に糸を通す作業をストレスに感じられる方も少なくないと思います。そんなストレスを解消してくれるのが、針糸を簡単に通してくれる自動糸通しです。使いにくいからと使用していないと言う声もよく耳にします。
家庭用ミシンであればどんなタイプにも備わっている機能ですが、どのミシンでも同じと思っていませんか?

実はミシンの種類によって自動糸通しの使いやすさが全く変わってくるのです。
糸をセットして指でレバーを抑えるだけで針に糸を通してくれるモデルから、両手を使って糸を引っ張りながらと糸を通すタイプまで、自動糸通しと言ってもさまざまです。

◇自動糸調子機能


糸をセットしたら糸調子を自動で整えてキレイな縫い目に仕上げてくれるとても便利な機能です。
ダイアルを回してい目の締り具合を微調整する事もできるので、初心者からベテランの方まで満足いただける便利な機能です。

◇押え圧調整機能


これができるかできないかで、縫える生地の幅や縫い仕上りが変わってきます。
生地がしっかり送られず、縫い目が詰まってしまったり、生地が縫い伸びや縫い縮みしてしまった経験は有りますか?
薄手の生地の時は押えの圧を弱く、厚手の生地の時は押え圧を強くすると仕上りが全く変わってきます。

◇ボタンホーラーの仕様


ひとえにボタンホーラー機能と言っても、手順や手間・仕上がりに大きく違いがでてきます。
セットした後、ボタン一つでホールの縁縫いから端の閂止めまで縫い上げてくれるミシンや、縁縫い、端の閂止め縫い、縁縫い、閂止め縫いと4工程に分けて行ったり、縫う針数も自分で行う完全マニュアルのミシンもあります。
また、ボタンのサイズをセンサーなどで感知して距離を自動で計算して縫ってくれるモデルや、アナログ式な仕組みでボタンのサイズに合わせて止まる仕組みのミシンなど、ボタンホールが縫えるといっても機能や性能が全く変わってきます。
ボタンホーラーを使われる方は確認しておきたい機能の一つです。

◇アタッチメントの種類
代表的なアタッチメントは、”押え”です。ジッパーをつけたり、生地端ガイドに沿って縫ったり、テープなどを縫い付けたり、縫う場所や内容でさまざまなアタッチメントに交換して縫うことにより快適な縫製を楽しむことができます。
ミシンによってアタッチメントの形状が違うので、ミシンに対応したアタッチメントを購入する必要が有ります。
当然ミシンによって使えるアタッチメントの種類も異なってくる為、より豊富な種類から選べる方がソーイングライフが広がります。

◇職業用ミシン

職業用ミシンとは
直線縫い専用の本縫いミシンです。家庭用ミシンよりも縫い目がキレイで様々な生地にも対応して縫い上げることのできるミシンです。
頑丈なボディは耐久性に優れており、工業用のミシンで使用するアタッチメント(押えやバインダー、針など)に対応しているので豊富な選択肢から、素材に合った縫い方でプロの様な仕上がりを実現します。
職業用ミシンは直線縫いしかできないのにミシンのハンドメイドに慣れた方が、みな職業用ミシンを選ばれるのかご紹介します。

家庭用ミシンとの違い

◇キレイな縫い目を実現


職業用ミシンは直線縫い(本縫い)の機能に特化したミシンです。
工業用の本縫いのミシンと比べて持ち運びができる小型なボディでも、工業用ミシンの技術がしっかりと継承された機能を備えたミシンです。
本体の耐久性と縫製速度、貫通力にも優れていて糸の調子や押え圧の強さ調整、縫製条件に合わせたアタッチメントや針に変えるなど、カスタマイズすることで家庭用ミシンではキレイに仕上げられない生地や厚物から薄地の生地、伸縮性のある生地など悪条件な素材の縫製にも最適な条件で縫製する事ができます。

◇快適な力強さ


職業用ミシンは頑丈で耐久性の強いボディと力強いモーター、そして針の長いストロークからの強い貫通力など高い能力を持ったミシンです。
その為、家庭用ミシンでは止まってしまい縫えない厚地でも楽々と縫い上げることができます。
家庭用ミシンの2倍近くの速度で縫い上げることができますが、縫い目のキレイさはそのまま再現されます。耐久力も高く頑丈な為、会社などでも多く活躍しています。
毎日使用しても元気に働いてくれるミシンです。

◇豊富なオプション


職業用ミシンはプロが使用する工業用ミシンのアタッチメントを数多く共有する事ができます。
その為、縫製する素材に合わせて最適な条件で縫うことができるのが大きな特徴です。
針や押えなど豊富な種類から素材に合わせてカスタマイズすることで、ハンドメイドの幅が大きく広がります。

◇初心者からプロユースまで
職業用ミシンは難しいと思われがちですが実は操作はとても簡単で、家庭用ミシンよりも簡単に使用できてしまいます。


ボタンや下準備の手順が少なく、使い方も単純で家庭用ミシンの様なメニュー設定などが有りません。
電源を入れるだけで直ぐに縫い始めることができるのが職業用ミシンです。
糸調子や押え圧にはメモリが付いているので初心者の方でもメモリを基準に標準値に合わせる事で縫うことが簡単にできます。



職業用ミシンは、作業のしやすさが追求されている工業用本縫いミシンと同じ様な構造と使用感をそのまま再現しいます。
とても効率よく快適に縫製を楽しんでいただけるミシンです。
工業用本縫いミシンと同じ釜の機構を使用しているため、高速スピードで縫製しても綺麗な縫い目を見せてくれます。


また、工業用本縫いミシンで使用できる押えなどのアタッチメントや針が使用できるので素材の条件や環境をユーザーの希望に合わせて無限にカスタマイズして使用することができます。
使い込んでいくほど、カスタマイズのバリエーションも増やすことができプロユースの方でも満足して使い込んでいけるのも職業用ミシンの醍醐味のひとつです。
ユーザーの能力と一緒にミシンの使用幅も広がっていくので、職業用ミシンはユーザーと一緒に育っていくミシンと言えるかもしれません。

◇ロックミシン

ロックミシンとは
生地端をメスで切りそろえながらかがっていくミシンの事で、洋服づくりに欠かせないミシンの一つです。
前に紹介した家庭用ミシンとは違い、2本~4本の糸を器用に絡ませて美しい編み目の様な模様を作り上げてくれるミシンです。
家庭用ミシンでも裁ち目かがりという縫い方が有りますが、ロックミシンは主にニット地の縫製で大いに活躍してくれるミシンです。ロックミシンと家庭用ミシンの違いをご紹介します。

家庭用ミシンとの違い

◇かがり縫いってな~に?


カットした生地の端はそのままにしておくと、ほつれてしまい糸がだらしなく出てしまいます。
生地のほつれ止めの役割を果たしてくれるのが、かがり縫いでオーバーロックとも言われます。
また二枚の生地の縫い合わせにも使用される縫い方で、洋服づくりに欠かせない縫い方の一つです。

◇生地端のカット


家庭用ミシンでは生地端をガイドに当てて生地をかがっていきます。
しかし、しっかりと生地を当てておかないと上手なかがりの縫い目を作ることは出来ませんし、縫い合わせる場合2枚の生地のカットラインが同じでないと、これもキレイな仕上がりにはなりません。
ロックミシンにはメスというハサミの様な役割をする部位が装備されていて、余分な生地端をカットして切りそろえながら縫うことができます。その為何度縫ってもキレイにそろった生地端のかがり目ができあがるのです。

◇縫い方
2本の糸を絡ませる家庭用ミシンの縫い方は、どちらかというと糸を締め付けてしまう縫い方です。
伸縮性の高いニット生地を縫うと生地を伸ばした時に糸が切れやすい縫い方になってしまいます。


ロックミシンの縫い方は、イメージとしては編み込んだ糸を生地の上に乗せていく様な縫い方になります。
縫い上げるというよりは、ふんわりとした糸が乗っているかの様なキレイな模様に仕上がるのがロックミシンの縫い目の特徴です。
その縫い模様は使う糸の数でかわいらしく変化します。

ふんわりとした縫い目は、伸縮性の高いニット生地に相性がとてもよく、編み目の様な縫い目は生地を伸ばすと柔軟に生地に合わせて伸びるので糸も切れにくく、ロックミシンの縫い目はニット生地に多様されます。

◇縫い目と用途
ロックミシンの縫い目とその用途をご紹介します。
ロックミシンは針の数や糸の数、糸の素材を変更する事で、用途に合わせた縫い方ができます。
※ミシンによって対応できる範囲が異なります。


〇1本針2本糸(オーバーロック)
布帛生地を中心に生地1枚の端を縁かがり縫いする場合に使用されます。


〇1本針3本糸(オーバーロック・巻きロック)
布帛生地を中心に生地2枚の縫い合わせや巻き縫いなどに使用されます。



〇2本針4本糸(オーバーロック)
ニット生地を中心に生地2枚の縫い合わせなどに使用されます。

 

〇2本針4本糸(インターロック)
布帛生地などで縁かがりと縫い合わせを同時に行う事ができる縫い目です。

特に袖や脇など、伸縮性が必要な部分に使用されます。


〇その他の縫い方、応用

◇差動送り機能
差動送り装置とは、前と後ろの2枚の送り歯の運動量を変えることで、ニット生地や裏地などの伸縮素材を伸び縮みなくキレイに縫うための送り装置です。

■差動送り装置なし

布帛生地を中心としたロックに使用します。

■差動送り装置付き
ニット生地などの伸縮素材や布帛生地したロックに使用できます。
意図的にギャザー寄せ縫いや、袖山のいせ込みなどの応用もできます。
 

◇カバーステッチミシン

カバーステッチミシンとは
ニット系の洋服を作るなら絶対に欠かせないミシンです。
ミシンでTシャツなどを制作して、糸がブチブチブチッと切れる音など経験有りませんか?
それは素材に合わせた縫い方をしていないからです。
ニット系は伸びる生地が多い為、当然直線縫いの様に糸をしっかり締めてしまっては着衣する時など、素材が伸びてしまった時に切れてしまいます。
そんな素材を丈夫な縫い目でサポートしてくれるのがカバーステッチミシンです。
体にぴったりの服も伸縮系の素材が多い為、服を自作するレイヤーさんにもおススメのミシンです。

家庭用・職業用ミシンとの違い

◇縫い方・縫い目
家庭用ミシンや職業用ミシンは直線縫い(本縫い)という縫い方で、針糸と釜と呼ばれるパーツで2本の糸を絡ませて縫いあげます。2枚の布をしっかりと縫い合わせる事に適していて引き締まった縫い目になります。
裏表両方からも見た目は同じ様に仕上がります。


カバーステッチミシンは、環縫いという縫い方で、針とルーパーと呼ばれるパーツでロックミシンの様に編み込むように針とルーパーの糸を絡めて縫い上げます。
直線縫いと比べ、縫い仕上りが少しふわりと柔らかい仕上がりになります。
裏表どちらから見ても同じに見える本縫いに対し、環縫いは表から見ると直線縫いの様ですが、裏側は糸が模様の様に見えるのが特徴です。

◇カバーステッチってどんな時に使用するの?
前記のふわりとした縫い目から、伸縮する素材に強く切れにくい縫い目はニット素材やメリヤス肌着などの補修、飾り縫い目的などに多様されています。
Tシャツ・トレーナー・スポーツウェアや水着などの裾、袖口、衿などで見かける片面飾り縫い(表面は複数本の直線縫いの様に見えて、裏面はロックミシンの様な縫い目)はカバーステッチミシンの縫い目です。


本縫いの様に縫い合わせるチェーンステッチ(表は直線縫いの様に見えて、裏は2重に重なった鎖の様な縫い目)はシャツや毛糸の手袋などの縫い合わせにも使われています。

◇差動送り機能


ロックミシンで紹介した差動送りの機能はカバーステッチミシンにも備わっています。
差動送り装置とは、前と後ろの2枚の送り歯の運動量を変えることで、ニット生地や裏地などの伸縮素材を伸び縮みなくキレイに縫いあげてくれる必須の機能です。

◇その他のミシン

その他にも、いろいろな用途のミシンが有ります。
ご紹介しているのはその中でも一部です。

◇複合機


2種類のミシンの機能を備えたミシン。
ロックミシンとカバーステッチミシンの複合ミシンが一般的に知られています。

◇すくい縫いミシン


一本糸で縫いこむ単環縫いなのでほどく時も簡単です。
スカートやパンツなどの裾まつりを行うための、職業用すくい縫い専用ミシンです。

◇袋とじ縫いミシン


一本糸で縫いこむ単環縫いなのでほどく時も簡単です。
樹脂ペレット材料袋など、毎日開け閉めして使用する袋口の仮閉じや工事養生シートや人工芝の縫い合わせにも使用されます。

◇ミシン選びのポイント

ミシンの購入する時に….
ミシンは何度も買い替えるような商品ではありません。
納得して気に入ったものを末永くご愛用頂くお役にたてればと思います。
何よりご自身に合ったミシンを選ぶのが一番最適なミシン選びです。

◇家庭用ミシン
家庭用ミシンはマルチ的な縫い方に対応したオールインワンのミシンです。
ミシン1台でロックミシンの”かがり縫い”や、すくい縫いミシンの”まつり縫い”など、いろいろなモノを作るのに必要な縫い方ができるので、初めてのミシン選びでほとんどの方が一番初めに購入を検討されるのがこのタイプです。



家庭用ミシンはピンポイント使用に適したミシンです。
その為、ミシンが好きで常時使用されている方や仕事などで毎日や週に数回など高頻度で常時使用する設計ではない為、ミシンの許容を上回って過剰に使用すると故障などの原因にもなってしまいます。

縫う素材によって、家庭用ミシンの機能ではまかないきれないことも有ります。
・ニット系だと伸縮性が高い生地の場合、生地が伸びた時に縫い目の糸が切れてしまう。
・厚地を縫っていると生地を貫通しきれずに止まってしまう。
・薄地を縫っていると縫いあがった生地がよれてしまう。


縫うものが決まっていない方や、必要になった時のピンポイント使用、ときどきモノづくりを楽しみたいそんな方におススメのミシンです。価格帯も1万円程度から商品を選ぶことができます。

◇職業用ミシン
職業用ミシンは美しい縫い目にこだわった”直線縫い専用”のミシンです。
直線縫いをする専用のミシンなので、直線縫いをキレイに縫いあげる為の機能が充実しています。

ベッドが広いので大きな作品も作りやすいのが特徴です。


ミシン本体は静音性を追求し、アームカバーに至るまでアルミダイキャストフレーム

工業用本縫いミシンとほぼ同様のミシンの構造になっているので、糸調子や生地の押え圧の細かい調整、工業用本縫いミシンと同じアタッチメントが使用できるなど、素材に合わせた縫製条件を選んで縫うことが可能な本格的なミシンです。
耐久性にも優れている為、ミシンを高頻度で使用される方でも満足して長く使用することのできるミシンが職業用ミシンです。

初心者の方でも分かり易い使い方の為、初心者から上級者、プロユースの方までご満足いただけるミシンです。価格帯は6万円台からお求めいただけます。

◇ニット系を多く縫う
ニット系の素材は伸縮性がある為、家庭用ミシンや職業用ミシンで縫い上げると、仕上がった生地がよれてしまう場合や出来上がった作品の使用時に糸が切れてしまったりします。
ロックミシンやカバーステッチミシンは、ニットクラフトをするための機能が充実したミシンです。




特に、肌着やTシャツやトレーナー、スポーツウェアなど、着るときに生地を伸ばすことの多い服を作るときには必須のミシンです。縁のかがり縫いにはロックミシンを、生地の縫い合わせる部分にはカバーステッチミシンを使用します。
市販されているTシャツや下着などの縫い目を見るとほどんどが、カバーステッチミシンの縫い目で仕上がっているというほど、メリヤスの主力のミシンです。
価格帯はロックミシンは3万円台から、カバーステッチミシンは6万円程度から、お求めいただけます。

◇オプション機能
欲しいミシンの種類が決まっている場合は、ミシンの付加価値となるオプション機能が価格を左右します。必要な機能、無くても良い機能を整理してミシンを選んでいただくのが良いと思います。

オプション機能には ”便利で使用感が上がる” 機能と ”縫う時に必要な調整機能” があります。
ユーザー様の目的の中で外せない機能というのもご案内の中でサポートさせて頂きます。